FigからAmazon Qへの乗り換えてみた感想
MacOS用のターミナル自動補完ツール「Fig」がAWSに買収され、「CodeWhisperer」という新しい名前でAmazon Qに統合されました。この変更に伴い、2024年9月にはFigは廃止される予定です。
2024年4月まで、IDEでの使用には「AWS Toolkit」という開発用プラグインのインストールが必要で、乗り換えを躊躇していました。しかし、CodeWhispererの機能がAmazon Qの拡張機能として提供されるようになったため、この機会にFigからAmazon Qへの移行を決めました。
サポートアプリ
現在(2024年5月2日)、内蔵Terminal、iTerm2、Hyper、VS Code Terminalがサポートされています。
また、JetBrains、Alacritty、KittyはBETA版として利用可能です。
乗り換え作業
僕は、Figで特別な設定を行っていなかったため、乗り換え作業に苦戦しませんでした。
また、Amazon Qを利用するためにAWS Builder IDを登録する必要が有りましたが、新規登録はパスワードの設定とメールアドレスの認証だけで行うことができました。
AI機能
Fig時代にはAI機能を使用したことがありませんでしたが、ブログを書くにあたり試してみることにしました。
Amazon Qのtranslate
コマンドを使って、._DS_Store
の削除方法について質問してみたところ、以下の結果が得られました。
$ q translate delete all `._DS_Store` files
zsh: command not found: ._DS_Store
Shell · rm *
❯ ⚡ Execute command
📝 Edit command
🔄 Regenerate answer
❓ Ask another question
❌ Cancel
危うく、ファイルを全削除されそうでした。
一文字減らしてdelete all `._DS_Store` file
と聞くとrm -rf *
を実行しようとしてより凶悪です。
ちなみにChatGTP4の場合は、以下のように適当な答えを返答してくれました。
You
Natural Language to Shell translation: “delete all._DS_Store
files”ChatGPT
To delete all ._DS_Store files from a directory and its subdirectories in a Unix-based shell, > you would use the following command:find . -name '._DS_Store' -type f -delete
This command works as follows:
find .
starts the search in the current directory and all its subdirectories.-name '._DS_Store'
specifies the name of the files to search for.-type f
ensures only files are targeted (not directories).-delete
removes the files that match the search criteria.
こちらでは、期待するコマンドが返ってきています。
プロンプトには、Amazon Qのhelp
コマンドで表示されるtranslate
コマンドの説明文を引用して使用しています。
また、誤操作によりコマンドが実行されないことも、コマンドライン上では非常に重要なことだと再確認しました。
まとめ
僕は、AI機能を使用していないため、自動補完に特化したツールがあれば、そちらを試してみたいと考えています。
また、まだAmazon Qへの乗り換えていない方は、以下の理由により、もう少しだけ待った方が良いかもしれません。
- 以前はFigでサポートされていたアプリの一部が、Amazon QではBETAの状態である。
- Amazon Qがプロジェクトとしてまだ不安定。
最後にsudo
コマンドのメッセージの一つを引用して終わりたいと思います。
With great power comes great responsibility.