エヴァリスト・ガロア
どうもこんにちは塚本です!
今日は特に書くネタが思いつかなかったので数学に逃げます.
ぼくの大好きな数学者です.
今日のブログは珍しく面白いと思うので最後までよんでください.
エヴァリスト・ガロアとは?
ガロアはフランスに生まれた数学者のことです.
あまり一般の方には馴染みがないかと思いますがとんでもなく凄い人です.
なんといっても,ガロア理論や体論,群論は後世に多大な影響を及ぼしています.
僕が16,17歳のときに学校で微積や線形代数を習っているときに
ガロアは同い年で,「群」の性質を見出し,代数学に応用していたのです.
ガロア理論
ガロア理論はガロアが作り上げた独自の理論です.
これを用いることによって代数学の新しい扉を開きました.
ガロア理論からまず思い出される有名な定理は,
「5次以上の方程式には解の公式は存在しない」というものであり,そして「不可能であることを証明する」ということです.
4次以下の方程式はn乗根や係数を用いて代数的に解くことができますが5次以上となるとそうはいきません.
ガロアは方程式自体をじっと眺め,考えるのではなくもっと大きなスケールで物事を見た人です.
方程式の後ろに潜む,「群」という集合を考えていったのです.
ガロア理論は「群」と「体」の理論です.
群と体
群とは,1つの演算で閉じている集合のことをいいます.
例えば,整数全体の集合Gは足し算という演算で閉じています.
(1+2)+3 = 1+(2+3)だし,
5+(-5) = 0になるので閉じています.
群の定義
(1) 集合Gの任意の元x,y,zに対し,x・(y・z) = (x・y)・zが成り立つ
(2) 任意の元xに対して,x・e = e・x = x となる元eが存在する
(3) xに対してx・x' = x'・x = e となる元x'が存在する
ここで,e
を単位元,x'
を反対元といいます.反対元は普通x^(-1)
と書きます.
アーベル群
群Gの全ての元x,yに対し,x·y = y·xが成り立つとき,Gをアーベル群という
このような定義をもつ群をアーベル群といいます.
つまり,先程の整数全体の集合Gはアーベル群です.
体の定義
(1) 加法に関してアーベル群である.
(2) 乗法に関してもアーベル群である.
(3) 分配法則が成り立つ. 即ち, 任意の a, x, y ∈ F に対して,
a·(x+y) = a·x + a·y, (x+y)·a = x·a + y·aが成り立つ
集合F の中で加法 + と乗法 · という2つの演算が定義されているのが条件です.
このようなものが体といいます.
なんだかよく分からなくなってきましたか…??
激動の人生
ガロアの凄さが少しは伝わったでしょうか?
先程,紹介した「群」と「体」を軸にしたガロア理論を用い,アーベルの定理の証明を大幅に簡略化したりしてたんです.
まだ未成年で,ですよ? やばいでしょ?
論文提出と政治への傾倒
ガロアは論文を執筆します.
そりゃ,歴史的で刺激的な発見をいくつもしている訳ですから発表したいのは当たり前です.
一回目は大御所コーシーに預けますが,コーシーはそれを紛失します.
二回目の論文もまたフランス学士院に提出しますが大御所フーリエが急死し,また紛失されます.
この頃のガロアの私生活はというと、、
行きたい学校の試験でいろいろあって試験管に黒板消しを投げつけたり,
父親が自殺をしてしまったり、、、フランス7月革命だったり、、、、というものです.
ガロアはフランス7月革命に参加する予定でしたが,
それを許さなかった学校側で生徒全員を閉じ込めてしまいます.
それがガロアの政治に対する想いを募らせました.
そして三回目の論文提出
ガロアに同情したフランス学士院が,もう一度論文を提出するように呼びかけました.
そのときの論文のタイトルは「方程式の冪根による可解条件についての考察」です.
この頃のガロアは相当に荒れていて,飲み屋で王様の命を脅かしたとして逮捕されてしまいます.
その後も.色々とやらかして有罪になり投獄されてしまいます.
このときガロアは20歳かな?
投獄と決闘
刑務所において,ガロアのもとへ「論文の中で説明不充分な箇所があるのでもっと分かりやすく書き直してほしい」というコメント付きの論文が返ってきました.
劣悪な環境の中,急いで修正しなければなりません!!
そして,コレラの流行によりガロアは仮出所します.
そのときになんとガロアは失恋を経験し,「つまらない色女に引っかかって決闘を申し込まれた」のです.
ガロアの頭の中には,当時誰も知らなかった新しい数学の理論がたくさん入っていたはずです.
これを発表せずに死んでしまうなんて….と思ったガロアは遺言がてら友人に手紙を送ります.
それは提出した論文の修正点や新たな数学の発想を書いたものです.
その手紙の中になぐり書きで「僕には時間がない!」,「この数学的な大発見を,ドイツのガウスやヤコービに送って意見を求めてほしい」と書いてあります.
そして..
「泣かないでくれ.二十歳で死ぬのには,ありったけの勇気が要るのだから!」
という言葉を残しガロアは若干20歳にして決闘が原因でこの世を去りました.
このスピード感,まさに激動といった感じでゾクゾクしてきます….
ガロアの栄光
ガロアの群論は内容が難しすぎることや,斬新すぎたこともあり当時の大数学者達に理解されませんでした.
ガロア理論が完全に構築されるのも,ガロアの死後50年を要しています.
例えば,5次以上の方程式の解を与える,楕円モジュラー関数による超越的解の公式の存在を予言していたりと、、、
今では,数学以外に物理で相対性理論や量子力学等にも応用されているそうです.
ガロアがあと5年でも生きていればどうなっていたんだろうと感じてしまいます.
僕はガロアみたいな人になりたかったです.
そう思って学生時代は数学をたくさんしていました☆
参考文献
加藤文元, ガロア 天才数学者の生涯, 中公新書.
彌永昌吉, 有馬哲, 浅枝陽, 代数入門, 東京図書.
酒井文雄, 環と体の理論, 共立出版.
参考サイト
おもしろいので読んでください
ガロアの凄さがもっと伝わってきます