第一宇宙速度と第二宇宙速度の導出

第一宇宙速度と第二宇宙速度の導出

どうもこんにちは塚本です.

先日,スタッフブログのSearch Consoleを見たんですが…

クリック数や閲覧回数で上位を独占していたのが
「円錐の体積」関連のキーワードでビックリしてしまいました.

こうなったからには,
僕の投稿でウェブティスタッフブログを数学・物理系のブログへと侵食していこうと思います.

それでは,今日はなんとなくですけど
宇宙速度についてのおはなしをしてみようと思います.

第一宇宙速度とは

第一宇宙速度とは,
地球の半径Rに等しい円軌道を持つ人工衛星の速度のことです.

簡単に言いますと,
例えばモノを投げるといつかは地面に落ちると思います.

第一宇宙速度でモノを投げてみると,
地球をぐる〜っと回って自分の後頭部にぶつかってきます.

つまり,この速度でモノを投げると地球に沿ってグルグル回り続けてくれます
いらすとやにちょうど良い画像があってビックリしています.

第二宇宙速度

第二宇宙速度とは,
地球表面から打ち出して,地球の重力を振り切り,宇宙の果てまで
達するための最小の初速のことをいいます,.(地球脱出速度ともいう)

第一宇宙速度は地球をぐる〜っと円を描く挙動でしたが,
第二宇宙速度になると,真っ直ぐ上に突き進むような挙動になりますね.

宇宙の彼方にロケットを打ち出すには
第二宇宙速度で打ち上げる必要があります.

宇宙速度の導出に必要な公式

まず,導出にあたって使用する公式等を確認しておきます.

万有引力の法則

F=GMmr2

ある2つの物体の間には質量に比例し,距離間に反比例する引力が作用します.
ニュートンさんが木から落ちるリンゴを見て閃いたで有名な法則です.

物体の質量をそれぞれM,m,距離間をr,万有引力定数をGとすると,
上式①のような法則がなりたちます.

また,こちらの法則はケプラーの法則から導出が可能なので
またの機会に導出をしてみたいと思います.

運動エネルギーの公式

K=12mv2

運動エネルギーとは,運動に伴うエネルギーのことで,
物体の速度を変化させる為に必要な仕事のことです.

質量と速度の二乗に比例します.

万有引力による位置エネルギーの公式

U=GMmr

質量Mの地球の中心から距離rだけ離れた点に質量mの物体があるときについて,
無限遠点を基準としたときに万有引力により位置エネルギーは③式で表せます.

向心力の公式

F=mv2r=mrω2(v=rω)

円運動している何かしらの物体において,
皆さんは遠心力という言葉を使うことがあるかもしれませんが,
物理的には遠心力という力は存在しません.

実際に作用している力は向心力になります.
なので,遠心力とは向心力の反作用成分であり,見かけ上の力に過ぎないのです.

わかりやすい例を挙げるとすると,
ロープに繋がれたバケツを回すことをイメージしてみてください.

ロープはたわまず,張っている状態だと思います.
そして,ロープを引っ張っているという実感があなたにはありますよね?

向心力は,張っている状態にあるロープによって生み出されています.

第一宇宙速度の導出

地球に沿って,物体が円運動するということは
物体の向心力と万有引力が釣り合いの関係にあるということになります.

したがって,地球の半径をRとすると第一宇宙速度v1

mv12R=GMmR2Rv12=GMv12=GMRv1=GMR=gR(GM=gR2)

このように導出可能です.

第二宇宙速度の導出

力学的エネルギー保存則を用いて,
初速v2で打ち上げられた物体の運動エネルギーと
その瞬間での,地球の重力による位置エネルギーから導出が可能です.

力学的エネルギー保存則とは,
運動エネルギーと位置エネルギーの和が一定になるというものでしたので,
以下のようになります.

12mv22GMmR=012mv22=GMmR12v22=GMR

v22=2GMR=2gR2R(GM=gR2)
v2=2gR

このように導出可能です.
どちらの宇宙速度も基本公式を理解していれば簡単に導出可能です.

まとめ

難しくみえる内容ですが,
基本公式の成り立ちを理解していれば公式を自分で導出していくことが可能です.

公式の丸暗記では,将来的な応用が効きませんし
すぐに忘れてしまいますので,自分で導出できるようになるのが良いと思います.

ちなみに僕は既に忘れていました.