Laravelのphpunit.xmlをphpunit.xml.distにリネームする
LaravelのスケルトンプロジェクトはPHPUnitを使用する際に、デフォルトではphpunit.xml
ファイルがテスト設定ファイルとして提供されています。しかし、phpunit.xmlの代わりにphpunit.xml.dist
を使用することで、複数の環境でテストを実行する際の利便性が向上します。本記事では、phpunit.xml.dist
を使用する方法について解説します。
phpunit.xml.distとは
phpunit.xml.dist
とは、phpunit.xml
ファイルがない場合に使用されるPHPUnitの設定ファイルです。
なぜphpunit.xml.distを使用するのか?
phpunit.xml.dist
を使用する理由はいくつかあります。
1. 環境依存性の軽減
phpunit.xml
はプロジェクトごとに固有の設定を持つことが多いため、異なる開発環境での共有が難しいことがあります。一方、phpunit.xml.dist
を使用することで、デフォルトの設定をプロジェクトに提供し、必要に応じてローカルでphpunit.xml
を作成して上書きすることができます。
2. バージョン管理の簡略化
通常、phpunit.xml
はバージョン管理システムで管理されますが、開発者ごとに異なる設定が含まれることがあります。phpunit.xml.dist
を使用することで、デフォルト設定を共有し、個別の設定をphpunit.xmlで管理することができます。
phpunit.xml.distの使用方法
1. phpunit.xml.distの作成
phpunit.xml
をphpunit.xml.dist
にリネームするだけです。
$ mv phpunit.xml phpunit.xml.dist
2. 個別設定が必要な場合
もし開発環境ごとに異なる設定が必要な場合は、phpunit.xml
ファイルをローカルで作成し、phpunit.xml.dist
の設定を上書きする形で使用します。
まとめ
phpunit.xml.dist
を使用することで、プロジェクトのデフォルトテスト設定を簡単に共有し、環境ごとの設定を柔軟に管理することができます。特に複数の開発者が関わるプロジェクトでは、環境依存性を軽減し、バージョン管理を簡略化するために有効な方法です。ぜひ、あなたのLaravelプロジェクトでもphpunit.xml.dist
の活用を検討してみてください。
P.S.
phpunit.xml
をphpunit.xml.dist
にリネームするPRが8年前に作成されましたが、マージされずにクローズされています。
https://github.com/laravel/laravel/pull/3759
一方、laravel/frameworkでは、phpunit.xml.dist
が採用されています。以前、Controller
クラスにabstract
を追加するPRがリジェクトされましたが、Laravel 11ではabstract
が追加される経緯がありました。そのため、将来的にlaravel/laravelでもphpunit.xml.dist
が採用されることを願っています。