部分分数分解を伴うラプラス変換について
どうもこんにちは塚本です!
本日は電気や制御、微分方程式等で用いる便利グッズのおはなしです。
高専4年や大学1〜2年生で悩んでいる方の参考になればと思います。
ラプラス変換とは
wikipedia先生によるとこのようなものらしいです。
関数解析学において、ラプラス変換(ラプラスへんかん、英: Laplace transform)とは、
積分で定義される関数空間の間の写像(線型作用素)の一種。関数変換。
数学の中ではかなり応用寄りの分野である。
ラプラス変換の理論は微分積分、線形代数、ベクトル解析、フーリエ解析、複素解析を基盤としているため、
理解するためにはそれらの分野を習得するべきである。
なんか難しいこと書いていますが、そんな難しいことないです!
基本的に覚えておいてほしいものはひとつです。
今まで皆さんが微分方程式を解く際には、
変数分離だとか特性方程式を用いて解いていたと思います。
ラプラス変換の世界では、微分はかけ算に・積分はわり算になります。
つまり!何がいえるかというと、
複雑な微分方程式を代数方程式として解くことができるということです。
難しげな微分方程式もラプラス変換を用いることで、簡単に解くことができるってことです。
部分分数分解を伴うラプラス変換
そして、タイトルにもある部分分数分解を伴うラプラス変換についてです。
塾で教えていたときに1日に「部分分数分解」といいすぎて最後の方は頭文字をとって「BBB」とよく言っていました(笑)
制御工学だと、2次遅れ要素の伝達関数などで頻出する部分分数分解…。
単純に逆ラプラス変換の練習問題で部分分数分解がよく出てくるのには意味があるんですよ〜
部分分数分解を極めないと、ラプラス変換は極めることができません。
それでは、部分分数分解をおさらいしていきましょう。
高1くらいでやるやつ
ヘビサイドの展開定理
実践
実際にこのような例題があったとします。
まず、全ての項をラプラス変換して,X(s)について解きます。
X(s)について解く際に部分分数分解が出てきています。
そして、X(s)は時間tに関する関数ではないため、こちらを逆ラプラス変換してあげます。
そうすると、気づけば微分方程式の解が出てきています。
変数分離型とラプラス変換の比較
画像の左側が、変数分離を用いて微分方程式を解いた結果です。
そして、右側はラプラス変換を用いて解いています。
ラプラス変換を用いることで、冒頭にも言ったとおりに
微分方程式を代数方程式として解くことができています。
二階線形微分方程式でもイケる
ラプラス変換の世界では、微分はsをかけることなので
二階微分はsの二乗になるだけです!!
ラプラス変換に自信がない方へ
そんなあなたはPythonを学ぶべきです。
Sympyで答え合わせしていきましょう。
インストール
pip install -U sympy
正弦関数のラプラス変換
import sympy as sp
>>> s, t = sp.symbols('s, t')
>>> w = sp.symbols('w', real=True)
>>> sp.laplace_transform(sp.sin(w*t), t, s)
正弦関数の逆ラプラス変換
>>> expression = sp.laplace_transform(sp.sin(w*t), t, s)
>>> sp.inverse_laplace_transform(expression[0], s, t)
参考資料
むかしつくったやつです。
https://drive.google.com/file/d/14AFxRKJUPZ3iuPJPUG4hqzmcb5J3tTkF/view?usp=sharing
https://drive.google.com/file/d/1UhMgqWgHQ0ZgvLMHvcVUzc5Fa_Ix5LcM/view?usp=sharing